妊娠と手術(生殖外科)

妊娠中のイメージ写真

産婦人科医が手術の対照とする臓器は女性の生殖器であり、子宮、卵巣、卵管、腟、外陰部を含みます。このうち、卵巣は「卵子を成熟させ放出する器官」であり、子宮は「妊娠の場」であり、この二つの器官がないと現代のどんなハイテク技術を用いてもお子様を得ることはできません。しかし、皮肉なことに、婦人科の疾患の多くが、この二つの重要な器官に発生します。そのため、妊娠を望まれている方(今後妊娠を望まれる可能性がある方も含む)が子宮や卵巣の手術をする際には、それぞれの器官が持つ妊娠するための機能を温存するために手術方法や手術範囲を慎重に検討し、その後の妊娠までの方針を決定する必要があります。この婦人科手術と生殖医療の融合が必要な分野、それが生殖外科分野であり高い専門性を持ちます。この生殖外科では、体外受精を含めた高度生殖医療の技術と知識を学び、なおかつ各疾患の生殖機能に与える影響を熟知する必要があり、鏡視下手術にも精通していなければなりません。当クリニックの院長は、生殖医療専門医、内視鏡技術認定医を持ち、慶應義塾大学病院において生殖外科を長年担当し数多くの症例を経験してきました。現在も、他院で手術を継続的に行い、後輩の指導にもあたっています。特に、妊娠に影響する頻度が高い子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫は、院長が行ってきた基礎研究の対照疾患でもあります。これらの経験を基に、個々の症例を慎重に検討し、アドバイスさせていただきます。